パナモリカンパニー

オールの代わりにハンドルを

―何一つ失わずにVを愛でるのは不可能― #ぶいめで 【因幡はねると延井の場合】〈供給側のバランス感覚〉

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毎日Vtuberを見るようになってから3ヶ月!イイねね…………………………………………………………………………………………………………………( @_osashimi_ )です。

ー何一つ失わずにVを愛でるのは不可能ー #ぶいめで とはVtuberオタクのフォロワーにインタビューしてそのVについてコンテクストを得ようという企画!

 

今回は延井さん( @Nobu_V )にインタビュー!幅広くVtuberを見ているオタクですが今回は因幡はねるさんについてお聞きました。話を聞くと所謂ガチ恋勢でないことに後ろめたさがあるようでしたが…?

 

 

 

 

今回のオタク紹介

 

ーーーまずは延井さんがどんなオタクなのか自己紹介をお願いします。

 

 

延井:Vtuberを見るようになる前は声優オタクでした。声優ユニットであるTrysailや、アイドルマスターミリオンライブ!アイドルマスターシンデレラガールズのライブをメインに追っていましたね。それに付随して好きなコンテンツや好きな声優さんが出るラジオを聞いていました。その流れでラジオそのものの面白さにハマっていって、オタクコンテンツ以外も含めいろいろなラジオを聞くようになりました。

 

 

ーーーラジオといえばガルラジ*1も聞いていましたよね。ラジオコンテンツでこれだけは外せない!っていうものはありますか?

 

 

 延井:それでいうと・・・「ラジオ ハナヤマタ〜校内放送、しませんか?」ですかね。

 

 

ーーーえっ?それは…えっと、なぜですか?なんとなくオタクの"カン"からただならぬ何かを感じます。

 

 

延井:ラジオハナヤマタは、上田麗奈さんと田中美海さんの二人がメインパーソナリティの番組で、2014年7月29日から2015年3月31日まで、全36回に渡って放送されていました。今でこそ声優としても、アーティストとしてもめざましい活躍をしているお二人ですが、当時はまだ駆け出しだった中ハナヤマタの主演に抜擢され、ラジオとしても出演している形でした。そのタイミングや、お二人の性格、ハナヤマタという作品の雰囲気が相まってまさしく青春の1ページのような、奇跡のような時間がそこにはあって、その宝物のような空気が封じ込められているラジオハナヤマタは神聖視しているオタクがパラパラと居て、その空気が忘れれられなくて永遠にリピートしてしまうんです。詳しくはブログに書いていますのでそちらを見ていただければと思います。

 

nobu-v.hatenablog.com

 

ーーーハナヤマタのアニメについては知っていましたが、ラジオがオタクたちにめちゃくちゃ刺さっているとは知りませんでした。

 

延井:ラジオ、Vtuber問わずパーソナリティが2人のものが好きなんですけど、それもラジオハナヤマタから来ている部分かもしれません。

 

Vtuberとの出会い、好きなVtuberについて

 

ーーーそれではVtuberとの出会いを教えていただけますか。

 

 

 延井:自分のTwitterのTLで輝夜月がバズった時があって、それがVを認識したタイミングですね。それで動画を覗いたんですけど・・・彼女のキャラクターを知っている人ならわかると思うんですが、所謂Youtuber的、陽キャのノリなんですよね。あまり肌に合わないなと思ってその時はブラウザを閉じました。で、2018年3月に出会ったのが月ノ美兎です。それまでのVtuberは、Youtuberのように動画コンテンツがメインだったのですけど、月ノ美兎によって生配信がVtuberに広まっていったと感じています。そのおかげで雑談系のVtuberが増えて来たので、その流れに乗って受け取るコンテンツが声優ラジオからVtuberの配信へシフトしていきました。月ノ美兎は特に今までのラジオでは感じることが出来ない「インターネットの匂い」があったので、全く別の楽しみがありましたね。

 

 

ーーー声優さんのラジオと、Vtuberの配信って確かに近い部分があるかもしれませんね。ただ声優さんって我々と同じ肉体を持っているんですけど、30cmの分厚いコンクリートの向こう側で声優さんラジオをお届けしてくれる感じで、オタクが触れるのはめちゃくちゃ難しい。一方Vtuberは持っている肉体が別次元で触れることはかなわないけど、水族館のでかい水槽のガラスみたいな、手と手を重ね合わせることは出来るかもしれない、そんな感覚があります。

 

 

延井:なんとなくわかるかもしれません(笑)

 

 

ーーーそれでは好きなVtuberについて語っていただきたいのですが・・・因幡はねるさんについてでいいんですよね?

 

 

延井:因幡はねるさんのことは好きなんですけど、こう、愛でるとは違うというか・・・”推している”っていう感覚ではないんですけど、それでも良ければ・・・

www.youtube.com

ーーー因幡組(因幡はねるさんのファンネーム)では無い、つまりガチ恋勢ではないけど、好きである理由はあるんですよね?それでしたら私としてはオッケーです。ただ、ねるちゃんがどういう反応をするのかはわかりませんが・・・(笑)

 

 

延井:恐る恐るやってみます(笑)

先程声優さんのラジオとのVtuberの配信について共通点をお話しましたが、2つには決定的な差があるんです。それは供給速度が全く違うことなんですね。声優さんのラジオっていうのは、好きな声優さんがいて、その人がまずラジオ番組を持っているのか、そしてどれくらいの頻度で番組が放送されているのかで供給速度が左右されてしまいます。だいたい週一放送が多いので、一週間待たないと次の供給がありませんよね。でもVtuberは毎日配信してくれる。

 

 

ーーー供給速度の話、すごいわかります。本当はもっと享受したいけど、供給が一定なことについて渇望してしまう…だからラジオハナヤマタの話のように永遠に同じコンテンツをリピートし続けるオタクが発生したりするのですが(笑)

 

 

延井:そこで因幡はねるさんが出てくるんです。毎日Vtuberの配信を聞くのが当たり前になってくる中で、我々にそれを習慣化させるのが一番うまいのが、因幡はねるさんなんです。例えば月ノ美兎は今までの経験とか、彼女の存在理由自体を面白く話していくのがうまいんですけど、一方因幡はねるさんは無からでも話を生み出していけるんですよね。ネタがなくても雑談を成立することが出来るんです。有名なエピソードとして「朝起きて3分で配信開始ボタンを押して雑談する」っていうのがあります。

 

 

ーーー因幡はねるさんは雑談能力が高いから、配信しているとついつい覗きに行ってしまうと。

 

 

 延井:雑談放送がいつも一定ラインの面白さが保たれているので、自然に配信を見に行くようになって、それが習慣化していくんですよね。

 

 

因幡はねるとバランス感覚

 

ーーー確かに、Vtuberはオタクコンテンツとの親和性が高い故に、雑談内容そのもので魅せられてしまう場合もありますけど、因幡はねるさんはそのタイプではないですよね。

 


延井:ほとんど毎日配信をやっているので、どうしても同じ話題になることもあるんですけど、それでもやっぱり面白いんですよね。他愛もない話題を面白く話せるというところが実力なんだと思います。それから、彼女は配信のバランスがいいんです。バランスっていうのは、ゲーム配信もするし、雑談配信もするし、コラボするし、主催の大型企画もやる。どれか一辺倒にならないんです。

これについて一つエピソードがあります。今はやめてしまったんですけど、昔マシュマロ返信配信をやっていたんですね。ちょうどその時ねるちゃんがモンスターハンターにハマっていて、頻繁にモンハン配信をしていたんですけどそれに対して「最近モンハンばかりやりすぎじゃないですか?」って質問が来たんです。もっともな指摘ではあるのですが、その返答が『確かにモンハン配信は多いけど、今までの配信をおろそかにしているわけではない。昼配信でモンハンをやっている分、夜はいつも通りに配信しているよ』って答えているのを聞いて、配信へのバランス感覚をきちんと持っているんだなぁと感心しました。

 今はマシュマロ自体も閉じてしまいましたが、例えばオタクの何を主張したいかわからない余計なアドバイス等にも毅然とした内容で返して論破していくのが面白かったですね。

配信のバランス感覚は常に意識しているようで、ここ最近はコラボ配信が多くなりましたが、そうなるとどうしてもリスナーとのコミュニケーションが疎かになる、ということは因幡はねるさんはしっかり理解しているので、その分なんでも無いような雑談配信をきちんと盛り込んで、それをリスナーにも表明してくれるのが嬉しいんですよね。

 

 

ーーーよくあるパターンとして外部コラボが盛り上がると、外部コラボが増えていったり、それに付随した雑談配信だったりになっていったりすることってあると思うんですけど、バランス感覚を失わずにコントロールしていくのは凄いことですね。

マシュマロの返信も所謂アンチコメ的な、それを選ぶんだっていう内容をチョイスするのがねるちゃんらしくて面白いですね。

 


延井:マシュマロで言えばもう一つ。これからVtuberとしてもっと成長していくためには、今まであまりやれていなかった外部コラボを積極的に行ってファンを獲得していかないといけないと表明した際に、マシュマロに男性Vtuberとコラボするのが嫌だっていう意見が来たんです。それに対しても真っ向から返信していました。「因幡はねるを真に応援しているのなら、外部コラボは発展していく上で必ず必要なことだから認めてほしい」って。

 

 

ーーー因幡はねるさんって意見をはっきり言う男勝りな部分があると思うんですけど、それに反して初期の頃のような人から好かれていないんじゃないかっていう、思い込みやすい精神的な脆さもあって、そのバランスが彼女の魅力な気がしますね。

 

 

延井:それも一つの魅力だとは思います。ただやっぱり自分は雑談自体のポテンシャルと、常にリスナーを向いていることへのスタンスからくる信頼感が好きです。 あるVtuberが”配信をするにあたってモチベーションが一番下がる時って何?”っていう題について話をしていたんです。 そのVtuberの答えは【友達と遊びに行った時】だったんです。身も蓋もないけど、家で一人で配信をするより友達と遊ぶほうが楽しいことに気づいてしまうらしいんですね。それでモチベが下がってしまうらしくて、意外な答えだと思ったんですけど納得したんですよ。 きっとその感覚って、コラボ配信にも通じるものがあると思ってて。一人で配信してるより、仲の良いVの友達とコラボしてるほうが楽しいみたいな。そういう理由かはわかりませんが、配信のほとんどがコラボになっているVtuberもいる。 でも因幡はねるさんは絶対にソロ配信の時間を設けるんですよ。というか、「本当だったらリスナーとだけ喋っていたい(楽しいから)」とまで言うタイプの配信者なんですよね。自分はソロの雑談配信が好きなので、そういう性格が根底にあることにすごく信頼感があるんです。

 

 

 (2020/08/13 編コメ)

VR/AR/MR/VTuber専門メディアのMoguLive様のインタビューにて、因幡はねるさんを象徴する一文があったので引用させていただきます。

 

小さなことからコツコツと、あなたに「見つけて」もらえるように頑張ります。リスナーさんと一緒の墓に入るぞ!

 

↓こちらの二人目に因幡はねるさんが紹介されていますので是非!↓

VTuber34名が語る!2018年と2019年 | Mogura VR

www.moguravr.com

 


後半はさらに具体的に因幡はねるさんの様々なコンテンツ力について伺っていきます!あの有名炎上系Vtuberとの関係性の話も!?

 

↓後半はこちら↓

ー何一つ失わずにVを愛でるのは不可能ー #ぶいめで 【因幡はねると延井の場合】〈遂行力、リスナーとの距離感〉 - パナモリカンパニー

panamolycompany.hatenablog.com

 

 

 

↓↓↓↓↓↓延井さんのブログ「浅瀬文書」はコチラ↓↓↓↓↓↓

nobu-v.hatenablog.com

 

 

*1:ガールズラジオデイズとは、中日本高速道路株式会社株式会社ドワンゴの共同制作による日本のインターネットラジオ番組。公式略称は「ガルラジ」。5チーム14人の女の子が繰り広げる音声コンテンツである。ニコニコ生放送ニコニコ動画をメインプラットフォームとして2018年12月14日より配信されている